ジャスダック上場廃止となった工作機械メーカー「プロデュース」(新潟県長岡市、民事再生法の適用申請)の粉飾決算事件で、公認会計士(39)が、同社から有価証券報告書の記載額よりも高額な監査報酬を受け取っていたことが25日、証券取引等監視委員会の調査で分かった。
監視委は、虚偽の有価証券報告書を提出したとして、金融商品取引法違反の疑いで同社の佐藤英児前社長(40)と会計士をさいたま地検に告発する方針。地検は会計士についても、粉飾決算を見逃す見返りに高額な監査報酬を受け取った疑いがあるとみて、会社法の収賄罪適用を検討している。
監視委によると、同社は2005年の上場以前から決算が粉飾されていた疑いが強く、会計監査が事実上働いていなかったという。
有価証券報告書などによると、会計士所属の監査法人は同社から05年の上場以降、年間900万−1500万円の監査報酬を受け取っている。
佐藤前社長や会計士は、取引先と伝票のやりとりだけで利益を計上する循環取引や、実在しない企業との架空取引などの手口で利益を水増しした決算を有価証券報告書などに記載し、関東財務局(さいたま市)に提出した疑いが持たれている。