近畿大医学部(大阪府大阪狭山市)が、司法解剖を担当する法医学教室に導入した死亡時画像診断(AI)システムを25日、報道陣に公開した。死因がより早く正確に特定できるほか、裁判員裁判への活用も期待されるという。
近畿大によると、AIシステムは、コンピューター断層撮影(CT)と3次元画像処理ソフトを組み合わせた最新機器。全身を3ミリ間隔で撮影して約600枚の画像を処理、体内の状況がモニターに立体画像で映し出される仕組み。約20分で終了する。
既にほかの大学でも死因を特定するために使われているが、近畿大はLAN回線を利用し、解剖時にもモニターを見ることができる。
4月から本格運用する予定。法医学教室の巽信二教授は「メスを入れることが難しい部位の出血などを発見できる可能性がある。医学的知識がない人にも分かりやすい」と話している。