記事登録
2009年02月25日(水) 20時15分

「中年の星になりたい」 パイロットから夢実現東京新聞

 夢を抱き続けた現役パイロット2人が、日本人で9、10人目となる宇宙飛行士に選ばれた。国際宇宙ステーションでの長期滞在という夢の実現に向け、「中年の星に」「感動を発信したい」と力強く抱負を語った。

 油井亀美也さん(39)が連絡を受けたのは25日朝。「うれしさと、人生の変わりように戸惑っています」と硬い表情。「星がきれいな」長野県南佐久郡川上村に生まれ育ち、望遠鏡で星空をのぞいていた。「漠然と天文学者か宇宙飛行士にと思った」が、学費のかからない防衛大学校から航空自衛隊へ。高度な技量が求められるテストパイロットも務めたものの、米国の宇宙飛行士を描いた映画を見て、再び火が付いた。現在39歳。「中年の星になりたい。新しいことに挑戦し続けたい」と意欲的だ。

 一方の大西卓哉さん(33)も「実感がわかず、驚いた」が最初の感想。全日空の副操縦士として国内やアジア路線を飛ぶ合間に英語を勉強、スポーツジムにも通い、夢の実現に備えた。

 「地球を眺め、感動を日本の方々に発信したい」と抱負を語ったが、候補者選考で10人に絞られた後、「宇宙に一緒に行きたくないのは誰か」と聞かれつらかったという。「選ばれたのは一緒に受験した仲間の支えがあったから」と振り返った。

 お互いの人物評は「(油井さんは)ハキハキした存在感のある人。自然とリーダーシップを取っている」、「(大西さんは)冷静沈着で正しい判断をする」と、息の合うところを見せた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022501001115.html