自民党の総務部会は25日、医療機関による救急搬送患者の受け入れ拒否問題の改善に向けて総務省消防庁が今国会に提出する、消防法の改正案を了承した。患者の容体に応じた搬送先のリストを盛り込んだ「搬送・受け入れの実施基準」の策定と公表を、都道府県に義務付けるのが柱。政府は3月に閣議決定し、年内の施行を目指す。
実施基準では、医療機関を対応できる傷病者の重症度によって分類し、救急隊がリストから搬送先を選ぶルールも策定。また、搬送先が速やかに決まらない場合に救急隊と医療機関が協議する基準を定め、最終的な受け入れ先の確保を目指す。
実施基準は医師や消防関係者、都道府県の担当者らで設ける協議会が策定。協議会は救急搬送の改善に向けた調査・分析、知事や関係機関への意見表明もできるとしている。
このほか改正案には、医療機関が基準を尊重する努力規定が盛り込まれた。
消防庁は救急搬送患者の受け入れ拒否が社会問題化したほか、現場から病院に収容するまでの時間も延びているため、改善策を検討してきた。