奈良県天川村の汚職事件に絡む捜査情報漏えい事件で、同村の建設業者が県警元組織犯罪対策1課警部補の大沢成光容疑者(53)から前村長車谷重高被告(51)への情報伝達を仲介していた可能性があることが25日、県警の調べで分かった。
業者は2人の共通の知人で、県警は、大沢容疑者の供述や携帯電話の発着信履歴などから、業者が情報漏えいの現場に立ち会ったか、業者を通して情報が車谷被告に伝わったとみて事情を聴いている。
一方、大沢容疑者は捜査2課が天川村の事件を内偵中も車谷被告と会っていたとみられ、県警は直接情報を漏らしたケースもあるとみて、同容疑者の勤務表を分析し流出ルートの解明を進める。
県警は25日、大沢容疑者と元捜査2課警部の石山智容疑者(51)を送検した。
調べでは、大沢容疑者は2002年から天川村と同じ郡内にある大淀町に出向。そのころ、当時天川村議だった車谷被告と知り合ったとみられる。両容疑者は1976年の同期採用だった。
石山容疑者は容疑を全面否認。大沢容疑者は、天川村の事件を捜査していた石山容疑者から情報を得て一部を車谷被告側に伝えたと話している。