経済産業省は25日、国の安全基準を満たしていることを示す日本工業規格(JIS)の介護ベッドの規格を、来月20日付で改正すると発表した。落下防止用の柵のすき間に首などが挟まれて大けがをしたり死亡したりする事故が多発しているため、安全性を強化する。
現行の規格では、柵のすき間は6センチ以下と規定されている。しかし力がかかると柵がたわんですき間が広がり、首などが挟まることがある。改正後は、すき間に直径6センチの円筒を置き、上から約5キロの力を加えても柵がたわまないことを確認する試験をJISマーク付与の要件とする。
ベッドに固定して、起き上がりなどを補助する手すりについても、耐久性や強度など必要な規定を新たに設ける。
2007年5月に重大事故の報告・公表制度が導入されてから、介護ベッドの柵や手すりが原因で大けがしたり死亡する事故は25件発生。経産省によると、柵のすき間に首などが挟まれる事故は18件、手すりを固定するレバーに衣服が引っ掛かる事故は7件あった。今年1月にも、岡山県の70代女性が首を挟まれる事故が起きたばかり。