名古屋港で今月、輸出用貨物の中から麻薬原料となる化学物質、無水酢酸が相次いで見つかった事件で、貨物はいずれもアフガニスタン南部カンダハルに向けて輸出される予定だったことが25日、愛知県警の調べで分かった。
同地域では反政府武装勢力が麻薬生産を資金源とするなど非合法な薬物取引が横行しており、愛知県警は現地の密売ルートと国内の発送元の関係を調べている。
県警によると、名古屋港で24日、コンテナに計約1・4トンの無水酢酸がタンク7個に分けて隠されているのを税関職員が発見。無許可で輸出しようとしたとして、関税法違反の疑いで逮捕されたパキスタン国籍の会社員ナジール・モハメド・フェイヤーズ容疑者(40)は「中身が無水酢酸とは知らなかった」と供述している。
県警と税関は今月12日にも、名古屋港で無水酢酸約0・9トンを押収し、同容疑でパキスタン人の男(47)を指名手配。貨物はそれぞれ、カンダハルの2企業があて先になっていた。