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2009年02月25日(水) 17時13分

同乗者に2審も賠償命令 奄美の飲酒ひき逃げ事故東京新聞

 鹿児島県奄美市で2003年、飲酒運転の車にひき逃げされ死亡した佐藤隆陸さん=当時(24)=の遺族2人が、事故の直前まで車に同乗していた男性(25)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁宮崎支部は25日、請求通り約5300万円の支払いを命じた1審鹿児島地裁判決を支持、男性の控訴を棄却した。

 判決理由で横山秀憲裁判長は1審判決同様、「運転を制止すべきだった」と男性の注意義務違反を認定。「事故原因は脇見で、飲酒とは無関係」との主張については「脇見や中央線をはみ出したことで事故が引き起こされたことを考えれば、運転手の酩酊状態が少なくとも原因の一つと推認される」と判断した。

 閉廷後、佐藤さんの遺影を首から下げた母悦子さん(57)=大分県国東市=は「飲酒運転は犯罪だということを息子からのメッセージとして全国に伝えることができた」と述べ、男性に対して「飲酒運転を止めていれば息子は生きていたとしっかり受け止めてほしい」と訴えた。

 判決によると、事故は03年11月16日未明に発生。男性は運転手の男と一緒に飲酒した上、事故の直前まで助手席に同乗していた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022501000689.html