2006年に起きたJR山陽線の踏切事故で高校3年の次男=当時(18)=が死亡したのは、警報機の設置など安全対策を怠ったのが原因として、両親がJR西日本に約9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、広島地裁は25日、約3380万円の賠償を命じた。
野々上友之裁判長は判決理由で「(事故が起きるまで)警報機や遮断機がなかった点で、踏切は安全性を欠いていた」と指摘。死亡との因果関係を認定した。
さらに、同じ踏切で05年1月にも死亡事故があったことから「特に夜間は、衝突を安全に回避するのが容易とは言えない」と判断。「柵や標識があり、通常の注意を払って通行するのを前提にすれば、警報機などの設置の必要はなかった」とのJR西日本の主張を退けた。
その一方で「次男が十分に安全を確認しなかったことが事故の一因をなした」として過失相殺。損害の6割を減額した。
判決によると、次男は06年12月12日午後6時半ごろ、広島県東広島市高屋町中島の踏切(幅約1メートル、車両通行禁止)を自転車で横断中、3本の列車に次々とひかれ死亡した。
JR西日本広島支社の中山五郎次長のコメント 事故で亡くなられた方のご冥福を申し上げる。判決の内容を詳しく検討した上で、今後の対応を決めたい。