奈良県警の捜査情報漏えい事件で、元組織犯罪対策1課警部補の大沢成光容疑者(53)が、同県天川村の前村長車谷重高被告(51)に伝えた情報は、車谷被告の汚職事件を捜査していた捜査2課しか知り得ない内容だったことが25日、県警の調べで分かった。
大沢容疑者は、元捜査2課警部の石山智容疑者(51)から情報を得たとみられる。石山容疑者は車谷被告に情報を伝えていないが、県警は大沢容疑者に教えた時点で、捜査対象者に伝わることを承知していたとみて裏付けを進める。
調べでは、両容疑者は昨年12月に車谷被告らが捜査2課に逮捕された事件をめぐり、同年11月15日ごろ、捜査対象となっていることなどを車谷被告に教えた疑い。
県警によると、車谷被告が捜査2課の調べに「大沢警部補から情報を得た」と話したことから、監察課が捜査。石山容疑者の名前は出なかったが、情報の内容から2課課長補佐だった石山容疑者が浮上したという。
石山容疑者は「事実無根で誤認逮捕」と全面否認。大沢容疑者は「捜査情報の一部を教えたが、事情聴取の月日など具体的に教えた覚えはない」と供述している。