仙台市の食肉卸会社「精肉石川屋」(廃業)が外国産豚肉を国産と偽って学校給食センターに納入した事件で、詐欺と不正競争防止法違反の罪に問われた元社長石川里美被告(50)に仙台地裁は25日、「会社ぐるみで常習的な犯行」として懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。
山内昭善裁判長は「被告が積極的に偽装を指示した」と認定した上で「給食センターとの大口契約で大きな利益を得ようとした身勝手な動機に酌量の余地はない。食の安全への意識が児童生徒や保護者の間で高まる中、今回の偽装を軽く見ることはできない」と指摘。
一方で「被告の社長就任前から慣例的に偽装が行われていた疑いがあり、被告は事実を認めて反省している」と執行猶予の理由を述べた。
判決によると、石川被告は社員と共謀し、2007年2月から同年7月にかけ、外国産豚肉の加工産地を「宮城県米山町」と偽って表示。国産を条件にしていた仙台市の学校給食センターに豚肉ロースの切り身計約4200キロを納入し、代金計約440万円をだまし取った。