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2009年02月25日(水) 11時39分

比で保険金殺人、2審も無期 取り調べDVD初採用の男東京新聞

 保険金目的の殺人罪などに問われ、1審で共犯とされた男の取り調べ状況のDVD録画が法廷で初めて再生された元不動産会社社長吉井誠被告(52)の控訴審判決公判で、東京高裁(中川武隆裁判長)は25日、求刑通り無期懲役とした1審判決を支持、被告の控訴を棄却した。

 弁護側は共謀を否定、無罪を主張していたが、判決は、DVDの内容や共犯とされた4人の供述などから、吉井被告を首謀者と認定した。

 証拠採用、再生されたのは元社員山本俊孝被告(57)=1、2審とも懲役25年、上告=のDVD録画。1審東京地裁は「吉井被告が首謀者」と認めた山本被告の供述には任意性・信用性が十分あると認定。「吉井被告は計画策定から実行まで一貫して主導、最大の利益を得る立場だった」と判断した。

 判決によると、吉井被告は2005年、山本被告らと共謀し、保険金目的でフィリピンで同僚の男性=当時(41)=を射殺するなどした。

 DVDは山本被告自身の法廷でも再生され、1審判決は録画の時期や時間などを問題視。「任意性を示す有用な証拠として過大視できない」と判断したが、2審判決は、自白の任意性を認める証拠と評価していた。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022501000235.html