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2009年02月25日(水) 03時06分

柿の皮使いレアメタル回収 佐賀大教授らが吸着剤開発東京新聞

 柿の皮や古紙を活用し、携帯電話、パソコンの廃棄時に部品から金やプラチナなどのレアメタル(希少金属)を回収する吸着剤を、佐賀大理工学部の井上勝利教授らが開発した。燃やす際にダイオキシン類を出さないなど、従来のプラスチック製のものより環境に優しい利点があるという。

 井上教授によると、柿の皮に含まれる渋味成分のポリフェノールに金を吸着する性質があることに着目。柿の皮と硫酸を反応させて乾燥させた吸着剤をつくり、さまざまな金属を塩酸で溶かした液に入れると金だけを吸着できた。

 ブドウの皮でも同様の効果があるという。

 また古紙に含まれるセルロースを有機化合物と反応させて作った吸着剤は、プラチナやパラジウムを回収できた。

 井上教授の研究成果について、独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の田中幹也金属リサイクル研究グループ長は「簡単に作ることができてコストも低いが、この吸着剤に合わせた回収機器の仕様変更などが実用化への課題だ」と話している。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022501000005.html