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2009年02月25日(水) 23時30分

東京の銀座眼科、近視手術で67人感染症、19歳女性が失明の恐れスポーツ報知

 東京都中央区の銀座眼科(溝口朝雄院長)で、レーザー光線を使って近視を矯正するレーシック手術を受けた患者67人が角膜炎などの感染症を発症、2人が入院し、十九歳の女性は失明の恐れがある重症に陥っていることが25日、中央区の調べで分かった。

 区保健所は医療器具の滅菌不足が原因として銀座眼科に対し、23日から施設の使用を全面的に制限し、再発防止を指導した。

 溝口院長は25日、記者会見し「心からおわびする」と陳謝。日本眼科学会のガイドラインでは、レーシックを行うには眼科専門医に認定される必要があるが、溝口院長は専門医ではなく、医療器具の滅菌装置は2006年8月の開設から今年1月に交換するまで、1度も点検していなかったことを明らかにした。

 日本眼科学会常務理事の大鹿哲郎筑波大教授はレーシックの感染症は通常、患者5000人に1人とし「国内では考えられない被害」としている。厚生労働省は同日、レーシックを行う医療施設に院内感染防止の徹底を指導するよう都道府県などに通達した。

 保健所によると、銀座眼科は昨年9月下旬から今年1月中旬まで、639人の患者がレーシックを受けたが、2月23日までに67人が感染性の角膜炎や結膜炎を発症していた。

 2月5日、保健所にほかの病院の医師から「銀座眼科でレーシックを受けた患者が通院している」との情報が入り、18日に医療法に基づき立ち入り調査を実施した。

 2度目に立ち入り調査した20日に手術室の使用を制限、23日の立ち入り調査で、衛生管理が改善されるまで施設全体の使用を制限した。

 保健所は、眼球などを固定する器具の滅菌が不十分で、手術室に手洗い場がなかったことなどから、感染症が集団発生した可能性が高いとした。

 ◆レーシック手術 レーザーで角膜を削って屈折率を変え視力を回復させる手術。十数分と短時間で済むことや、痛みが少なく入院の必要がないというメリットがある。一方で効果に個人差があったり、細菌などが入って感染症が起こったりするケースもあるという。眼鏡やコンタクトレンズが不要になるため、スポーツ選手にも手術を受ける人が多い。

(2009年2月25日23時30分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090225-OHT1T00210.htm