シンガポールでの石油化学原料ナフサの取引をめぐり8100万ドル(現在のレートで約78億円)の損失を隠ぺいしたとして、会計書類虚偽記載の罪に問われた三井物産子会社の元契約トレーダー、山崎範行被告(38)に対し、同国の下級裁判所は25日、禁固5年の判決を言い渡した。被告は直ちに収監された。
起訴状などによると、山崎被告はシンガポール子会社「ミツイオイル(アジア)」のナフサ・トレーディング・マネジャーだった2006年4月から10月にかけて、ナフサ市場の現物、先物取引で生じた損失を隠し、社内報告書に虚偽のデータを記入した。
裁判官は「被告は市場の回復を信じていたが、犯行は正当化できない。損失は重大」と述べた。
弁護士によると、公判で山崎被告は起訴事実を大筋で認めた。
日本人の同社元副社長と元ゼネラルマネジャーも、損失隠ぺいにかかわったとして、会計書類虚偽記載の罪などで起訴されている。
ミツイオイルは当時、シンガポールで取引されるナフサの半分以上を動かし、山崎被告は大物トレーダーとして知られていた。三井物産によると、山崎被告は懲戒解雇され、ミツイオイルは解散手続き中。(共同)
(2009年2月25日12時08分 スポーツ報知)
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