NHKは24日、札幌、長野、福岡の各放送局にライフル銃の銃弾のような金属が郵送されていたと発表した。23日に本部のNHK放送センター(東京・渋谷)に届いたものと同様、実弾らしき金属が張られた紙には「赤報隊」と印字されていた。警視庁と3道県警は脅迫などの疑いもあるとみて調べている。NHKでは22日に福岡放送局で爆発騒ぎとなった放火未遂事件が発生しており全国54放送局、約1万1200人の職員の間に不安が広がっている。
23日の東京に続き、札幌、長野、福岡にも銃弾のような金属片が送りつけられた。NHKはこの日、午後0時半までに札幌、長野両放送局で銃弾と思われる金属片が入った郵便物を確認したため、午後3時から緊急会見を開催。しかし、会見の途中で、福岡放送局あてに同様のものが福岡中央郵便局で発見されたことが判明。広島放送局にも届いたとの情報もあり、会見した豊田宏・NHK総合リスク管理室室長は「極めて悪質で許されない行為」と厳しい表情を見せた。
郵便物は、いずれも全国一律500円で翌日までに配達できる日本郵便の「エクスパック500」。厚手の封筒には、太い黒字で大きく「赤報隊」と縦に印字された白いB5判の紙が入っており、右下隅にはライフル銃の銃弾のような金属が白いテープではられていた。金属探知機に反応し、エックス線にも映り込んだ実弾のような金属は、長さ約7センチ。口径は不明だが、大型の部類に入る。あて名は印字されていたが差出人名はなく、4件すべて2月23日付で東京・神田の消印。同一人物か同一グループによる犯行の可能性が高い。NHKは、それぞれ所轄の警察署に通報し、警備員の人数や巡回を増やすなどして対応。全国約1万1200人の全職員に一斉メールで注意を喚起した。
福岡での放火未遂事件に続き、各地の放送局に送り付けられた銃弾のようなものが入った郵便物。同封の紙に「赤報隊」と印字されていることを除けば、背景や意図を示すものはなく、豊田室長も「(受信料についての意見はあるが)今回のような連続事件を想起させる出来事はない」とし、右翼団体などによる抗議も「つかんでいない」という。
警察当局のある幹部は、郵便物の投かんが放火未遂事件の後のため「放火未遂事件の犯人が移動後、各地に送り付けた可能性もある」と指摘する一方、郵便物に福岡の事件への言及がないことから無関係だとする見方も。別の幹部は「赤報隊」名の犯行声明をめぐる週刊誌報道があったことから「最近になって過去の事件が騒がれたので、面白半分でやったのではないか」と話している。
(2009年2月25日06時02分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090225-OHT1T00061.htm