記事登録
2009年02月25日(水) 06時02分

お騒がせブログ市長、今度は職員の給料公開スポーツ報知

 ブログで市議の「不人気投票」を募り、物議を醸していた鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(49)が、市のホームページ(HP)に2007年度の市長をはじめとする市職員全員の給与額を公開していることが24日までに分かった。268人分の年収や諸手当など項目別の明細が1円単位で丸わかり。「税金の使い道を明らかにするのは当然」が市長の言い分だが、市長の強権発動に市職員らは困惑している。

 今年1月にブログで市議全員の実名を挙げて不人気投票を呼び掛けた市長が、次の“標的”としたのは市職員だった。

 阿久根市のHP内の「市政情報」に、消防を除く市職員計268人の給与の明細と共済費を加えた経費合計が公開されている。表組み形式で、年間の給料を始め、諸手当、時間外勤務など4項目の明細を1円単位で掲載しており、正確な年収の把握が可能。給与総額が多い順に並んでおり、名前は伏せているものの、医師、市長、副市長、教育長に限っては役職名を記している。

 年収トップは医師で2586万34円で、2番目は07年度当時の市長で、総額1015万6800円。年収700万円以上の職員が54%も占めている。同市によると、医師は中心部から遠く離れた診療所に配置するため、市が雇っているという。

 ほかの自治体でも職員給与を公表しているが、平均額が一般的で、個々の職員の給与額まで公開するのは異例だ。

 竹原市長は個人のブログ「阿久根時事報」で、「経営という観点から市役所人件費の状態を見ればめちゃくちゃ。職責や能力と給料の関係もデタラメ」などと職員批判を展開。報道各社の取材には「職員給与は税金から出ているのだから、その使い道を明らかにするのは当たり前」などと主張している。

 同市は、個別の給与明細の公表に先立ち、18日に06年度から3か年分の市職員の退職手当を公開した。同市によれば、公開は市長の命令で、給与額表は、担当部署からデータを得た市長が自ら作成したという。

 財布の中身を明らかにされた職員たちは「そこまでしなくても…」と困惑気味。市関係者は「見る人が見れば誰がいくらもらっているかはおおよそ見当がつく」とも指摘している。

 給与明細が公開され、同市には市民から数件の反応があったという。「公開自体に否定的な意見はない。高い給与への批判? それ以上は言えません」と市側も歯切れが悪い。

 来月22日の出直し市議選をにらんでの「給与公開作戦」とみられるが、市民はどう判断するのか…。

(2009年2月25日06時02分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090225-OHT1T00060.htm