広島大病院(広島市南区)が、3月末までに呉共済病院(呉市)など広島県内の3病院で小児科の常勤医師の派遣を中止することが24日、分かった。県内の公立と民間の計30病院に小児科医師を常勤で派遣してきたが、小児科医10人が大学の医局を辞職するのが要因という。
呉共済病院以外の2病院とは、現在交渉している。3病院とも非常勤医師で派遣は続ける方針だが、夜間診療への影響も出そうだ。
広島大病院の小児科医局には約120人が所属し、うち約100人が県内の病院に常勤で派遣されている。3月末で職を離れる10人以外にも昨秋から2人が辞め、4月以降も1人が辞職する意向を示す。理由は開業などさまざまだが、多くが「体力的に厳しい」と疲労を訴えているという。
これに対し、4月から医局に入る研修医は7人にとどまる。このため呉共済病院に派遣中で、3月末に辞職する医師1人の補充を断念。小児科の常勤4人制を維持できなくなる。その影響で共済病院は、呉市内の公的3病院で実施する夜間救急輪番制の見直しを関係機関に要請した。