呉市内で保管中だった旧海軍の特攻艇「震洋」の実物大復元模型が、靖国神社(東京)の展示施設へ奉納されることになり24日、輸送が始まった。製作者は市内の開業医で一昨年、79歳で亡くなった野村哲郎さん。「戦争の悲惨さを忘れないでほしい」との遺志を継ぎ、有志が補修した。
震洋は「〓(マルヨン)艇」とも呼ばれ、ベニヤ板製。艇首に爆薬を積み、乗員1人で敵船に体当たりした。呉海軍工廠(こうしょう)など全国で約6200隻が造られ、約2500人が戦死したとされる。
模型は全長5.1メートル、幅1.67メートル。手作り木造船の愛好者だった野村さんが2002年に写真などを手掛かりに復元した。
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【写真説明】特攻艇「震洋」の復元模型を補修する自作艇同好会のメンバー