アルコール依存症の患者と家族でつくる「広島断酒ふたば会」の会誌が、2月号で発刊から500号に達した。1967年5月の創刊から毎月欠かさず発行。体験談を紹介することで、断酒を誓う会員を励ましてきた。
500号の会誌「断酒ふたば」には、会員8人が体験談を寄せた。「私の気持ちに大きな励ましと、勇気、和らぎを与えた」「病院に5回入院した後、断酒会に再入会して以来、32年にわたって断酒できている」…。中田克宣会長は「断酒を継続するうえで大きな役割を果たしてきた」と意義を強調する。
会誌はこれまで、延べ約2500人が手記を掲載。毎月1750部を発行し、会員や病院、公民館などに配布している。費用は会費と寄付で賄っている。会誌を読んで入会するなど、患者が依存症から脱却する糸口を担ってきた。
【写真説明】「先輩から受け継いできたから、これからも伝えたい」と500号を手にする中田さん