高松市に本店を置く地銀、百十四銀行の九条支店(大阪市西区)の元支店長(54)らが、元暴力団組員(39)が実質経営する大阪府内の不動産会社「エヴァーライフハウジング」グループ4社に約10億円の不明朗な融資をしていた疑いが強まり、府警は24日、特別背任容疑で関係先二十数か所を一斉捜索した。
府警によると、元支店長(24日付で懲戒解雇)と元支店行員(37)(同)は2007年8月〜08年1月、十分な担保を取らずに、同行が内規で定める支店長の決裁権限を超えて4社に計約10億円を融資し、約9億5000万円を焦げ付かせて同行に損害を与えた疑いが持たれている。貸付金のうち6億円は、グループ各社の手形を同支店で割り引く形で融資されていたという。
捜査関係者によると、同支店は取引を開始した07年6月、4社に4500万〜1000万円の計1億円を融資。金融機関は通常、主要役員が重複するなどの企業グループについては1法人とみなして融資枠を設定するといい、この時点で支店長決裁で可能な無担保での貸し付け上限額に達した。
ところが、8月30日、エヴァー社を除く3社に対する元組員の連帯保証がすべて解除され、翌日、3社に計1億3800万円が新たに融資された。その後も08年1月まで、4社に対し2〜3回ずつ追加融資が実行され、貸付総額は5か月間で計約10億円に上った。
府警は、4社が無関係を装うことで各社ごとの融資枠を水増しし、追加融資を正当なものに見せかけた可能性があるとみている。
百十四銀行の竹崎克彦頭取は24日、高松市内で記者会見し、「金融機関として起こしてはならないことで、深く反省し、おわび申し上げます」と謝罪した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090224-OYT1T00536.htm