市販薬(一般用医薬品)について一部を除き、インターネットなどによる通信販売を禁止する省令を厚生労働省が公布したことに関し、その是非を話し合う舛添厚労相直属の検討会の初会合が24日開かれた。
検討会の委員は、日本薬剤師会や薬店業界の代表者など、省令の基になった報告書を昨年8月にまとめた厚労省検討会の委員(後任者を含む)15人と、規制に反対しているネット通販大手「楽天」の三木谷浩史社長ら4人の計19人。
舛添厚労相が冒頭、「薬局・薬店での購入が困難で通販を利用している障害者の方もおり、すべての国民に薬を安全に提供するにはどうすればいいのか。国民的な議論を喚起する中心になってほしい」とあいさつした。
規制反対の立場から、日本オンラインドラッグ協会の後藤玄利理事長は「団体の代表ばかりで議論するのではなく、薬の購入が困難な方々を呼んでまず意見を聞くべきだ」と主張。長年行ってきた通信販売が出来なくなる漢方薬製造販売業界の代表者も「自社で作った薬を長年、責任を持って提供しており、安全性は確保されている」と訴え、三木谷社長が「なぜネットだけをいじめるのか。初めに結論ありきではないか」と声を荒らげる場面もあった。
一方、全国薬害被害者団体連絡協議会の増山ゆかりさんは「障害を持つ方は本来、薬のリスクが高いはずで、医療機関で専門家と接点を持って購入するのが望ましいのではないか。ネットで買うことの危うさも知ってほしい」と話した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090224-OYT1T00498.htm