マレーシアから覚せい剤約1キロを密輸したとして、大阪府警薬物対策課と大阪税関は23日、住所不定、東洋大経済学部2年、渡辺恭(20)、住所不定、無職大坂紘史(25)の両容疑者を覚せい剤取締法違反(密輸入)容疑で逮捕したと発表した。
渡辺容疑者は昨年10月以降、インターネット上で覚せい剤の運び屋を募り、「約15人に覚せい剤を密輸入させた」と供述。2人は容疑を認めており、同課は渡辺容疑者に密輸を指示した人物の特定を進める。
発表によると、2人は共謀し、昨年11月2日、クアラルンプールから覚せい剤991グラム(末端価格約6000万円)を密輸入した疑い。2人は23日までに、同法違反罪で起訴された。
渡辺容疑者は、昨年10月、知人を介して知り合った人物から闇サイトの管理などを月額30万円の報酬で依頼され、同サイトに「海外旅行して金がもらえる仕事」などと紹介。メールで応募してきた大坂容疑者にクアラルンプールで覚せい剤を底に隠したカバンを受け取らせたが、関西空港で大坂容疑者が同容疑で現行犯逮捕され、今月2日、渡辺容疑者も逮捕された。
渡辺容疑者の指示を受けたとみられる日本人3人がソウルで韓国の捜査当局に身柄を拘束されているといい、同課は捜査員を派遣して関連を調べる。
東洋大(東京都文京区)によると、渡辺容疑者は2007年4月、スポーツ推薦枠で入学。体育会ボクシング部に所属していたが、08年9月から練習に出なくなり、同年12月末に退部処分になっていた。同部は逮捕の発表を受け、対外試合の自粛を決定。東洋大は「誠に遺憾。学生の指導を徹底する」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090223-OYT1T00664.htm