尾道市は、向島町の研修施設「立花自然活用村」の指定管理者との契約を、満了まで2年を残し本年度末で解除する方針を固めた。施設利用者が減り、赤字経営が続いているため。市直営とし、市内の団体などと管理委託契約を結ぶ考え。
市によると、自然活用村は旧向島町が1億1400万円をかけて建設。花卉(かき)を中心とした観光農業の確立と憩いの場の提供を目的に1984年、高見山の中腹にオープンした。市は2006年4月、5年契約でNPO法人ホリスティックライフ広島(広島県世羅町)を指定管理者とした。人件費や維持費などを含む委託料として5年間で計2620万円を払う予定だった。
利用者は1992年度の6万814人をピークに減少。07年度は4642人で、運営収支は約130万円の赤字だった。市観光課は「民間ノウハウで収益を上げてもらいたかったが、好転材料がいまのところない」と話す。
【写真説明】尾道市が指定管理者との契約を打ち切る方針の立花自然活用村の施設