広島南道路の建設で滑走路が短縮される広島西飛行場(広島市西区)について、広島県の藤田雄山知事は23日、市と検討会を設けて将来の在り方を協議する考えを明らかにした。市は東京便就航を目指しているが、県は巨額の赤字が出ていることから閉鎖か市営化を主張している。
藤田知事は県議会本会議で、早期に西飛行場の在り方の検討に着手し県、市が滑走路短縮の工事費を計上する2010年度当初予算の編成時期までに結論を得たいとした。「定期路線は広域集客力に優れた広島空港(三原市)へ集約することが利便性向上につながる。滑走路短縮で東京便誘致はさらに困難になる」と述べた。
県によると、検討会は県の有岡宏副知事と丸山隆英空港港湾部長、市の米神健副市長と高山茂道路交通局長でつくる予定。滑走路が約4分の3の1360メートルとなった場合、民間路線を広島空港に集約すべきか▽東京便就航を目指し続けるのか▽防災拠点機能をどう位置付けるか—など県市で見解が割れる点を整理する。
【写真説明】広島県と広島市が、滑走路短縮後の将来像を協議する検討会を設けることになった広島西飛行場