4月5日告示、12日投開票の三原市長選に向け、これまでに立候補を表明したのは現職の五藤康之氏(71)だけとなっている。国会で与野党の対決色が強まる中、市長選では各党が五藤氏を推薦。有権者がリーダーを選ぶ機会を失う空気も広がっている。
市選挙管理委員会が21日に開いた市長、市議選立候補予定者説明会。市議選に向けては33陣営が出たが、市長選での出席は再選を目指す五藤氏の陣営だけだった。
五藤氏は昨年9月に立候補を表明。10月には連合広島が推薦を決定した。その後は国民新党に続き、自民党と公明党が前回市長選と同様に推薦。さらに前回は自主投票だった民主党も推薦を決めた。
市長選には、旧三原市時代の2001年、合併直後の05年に立候補し、いずれも五藤氏に敗れた元市議会議長が立候補への意欲を示していたとされる。しかし、元議長は昨年8月に死去した。
また現市政に対しては、中断しているJR三原駅前の再開発問題などをめぐり「市としてもっと強い指導力を」といった声もある。地元選出県議や一部市議が立候補を模索する動きもあった。しかし、各党が五藤氏推薦を打ち出したこともあり、選挙戦に持ち込もうとするムードは高まりを見せていない。
【写真説明】三原市選管が開いた市長選、市議選の立候補予定者説明会。市長選での出席は現職陣営だけだった(21日)