山口県は、2011年の山口国体の剣道会場として下関市内に新設する武道館について、工事契約などを結ぶための議案を24日開会の県議会定例会に提出しない方針を明らかにした。落札したグループの代表企業が、キヤノン関連施設の工事受注をめぐる脱税事件で摘発された会社に仲介料を払っていたことから、事件の推移を見守るという。
県によると、2008年12月の総合評価一般競争入札に2グループが参加。電気設備工事大手の九電工(福岡市)が代表のグループが約50億円で落札した。今年1月に設立した新会社「下関コミュニティスポーツ」が県と仮契約を結んだ。県は県議会議決を経て正式契約し、4月から設計などに入ってもらう予定だった。
ところが、一連の脱税事件で東京地検が社長を逮捕したコンサル会社に対し、九電工が仲介料を払っていたことが判明。九電工側に逮捕者が出るなどした場合には契約の欠格用件に当たる恐れもあるため、対応を保留することを決めた。
【写真説明】九電工などのグループが提案している武道場のイメージ図