富山県高岡市(旧福岡町)出身の滝田洋二郎監督(53)の映画「おくりびと」が23日(日本時間)、第81回アカデミー賞外国語映画賞に選ばれたことを受け、高岡市福岡町福岡の実家には、多くの人が祝福に訪れた。
同日夜には滝田監督本人から実家に受賞を報告する電話があり、「夢みたいだ」と興奮した様子だったという。
滝田監督から電話があったのは授賞式を終え、ホテルに戻った同日午後7時半頃。滝田監督は「夢みたいだ。こんなことがあるんだね」と話したという。義姉の真利子さん(57)は「短い時間だったが、本人の声を聞き、家族で喜びを分かち合いました」と話した。
実家ではこの日、約30人が集まった。テレビの生中継で同日午後1時頃、受賞を告げる「ディパーチャーズ。ジャパン」の声が聞こえた瞬間、一斉に歓声を上げた。居間には受賞を祝う垂れ幕や花が飾られ、父の昇一さん(82)や母の浪子さん(77)と次々に握手した。
昇一さんによると、滝田監督が映画への関心を強めたのは、高岡商高を卒業した上京後。映画制作会社でアルバイトを続け、監督にまでなったが、当初は成人映画が中心だった。
郵便局員だった昇一さんが1980年代前半、東京に出張で訪れると、滝田監督が制作した映画の看板が目に飛び込んできた。「ほかの仕事に就いたら、と話したこともあるけど、(監督は)やると言ってね。映画一筋で続けて来たことを誇りに思う」と快挙をかみしめた。母の浪子さん(77)は「予想していなかったのでビックリした。ただうれしい」と喜んでいた。
滝田監督が紹介された新聞記事を切り取って保管している福岡中時代の恩師、石田伸也さん(73)は「(滝田監督には)ユーモアも人間愛もある。(おくりびとは)見た瞬間、すごい作品だと思った」と喜んでいた。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090224-OYT1T00215.htm