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2009年02月24日(火) 00時00分

関西発「探偵!ナイトスクープ」読売新聞


初のゴールデン帯全国ネットで放送される関西名物「探偵!ナイトスクープ」特別編。中央は局長の西田敏行
初の全国ネット、夜7時枠 テレ朝系 3月15日

 関西地区での20年間の平均視聴率が20・1%という老舗の人気バラエティー番組「探偵!ナイトスクープ」の特別編「探偵!ナイトスクープ ザ・ゴールデン」が3月15日午後7時からテレビ朝日系で初の全国ネットで放送される。ゴールデンタイム進出も初めてだ。(辻本芳孝)

 番組では、視聴者から毎週数百通届く相談や疑問から3件を選び、「探偵」が解決策を模索。「局長」に成果を報告する。かじった瞬間に爆発するゆで卵作りに挑戦したり、聞くと必ず乳児が泣きやむCMを実証実験したりするなどのお笑い作品から、車いすの少女の初めての旅に探偵が付き添う感動作まで、約3000件を紹介してきた。

 中でも、「『アホ』と『バカ』の境界線はどこか」という疑問では、全国の悪口方言の詳細な分布図まで作成し、2001年に日本民間放送連盟賞テレビ娯楽部門最優秀賞を受賞。方言学の学会「日本方言研究会」で研究発表まで行った。

 制作した大阪の朝日放送では金曜深夜11時台に放送し、最高視聴率32・2%(関西地区)を記録。06年には年間平均視聴率が21・2%となり、関西地区のレギュラー番組でNHK大河ドラマを上回り、1位となっている。


松本修・制作局局長プロデューサー

 企画段階から手がけてきた松本修・制作局局長プロデューサーによると、視聴者投稿のスタイルやビデオによる発表形式などは同番組の発明。今はバラエティー番組の定番である、出演者の発言やつっこみをテロップで流す手法も同番組が元祖だという。毎回ライブで収録しており、客席の笑いの大きさを14人のディレクターがそれぞれ“反応”として受け止めることで切磋琢磨(せっさたくま)し合い、質の維持につながっているそうだ。

 一方、関東では、テレビ朝日が92年から何度か放送したが、いい時でも平均5%程度の視聴率で05年3月に終了。しかし、「決して東京で受け入れられなかったわけではない」と松本プロデューサー。その理由として、06年に出した初の番組DVDの販売数約26万本のうち、43%が首都圏で売れたことを挙げる。「東京では平日未明や日曜昼など、視聴率が稼ぎにくい時間帯に放送されただけです」

 そんな関西の意地を見せるため、今回の特番ではほぼ通常通りのメンバーで放送。桂小枝や北野誠ら7人の探偵のうち5人が新しい作品の報告を行い、2人はアンケートで選ばれた過去の作品を紹介する。

 関西出身者の多くが、阪神タイガースと同様にこよなく愛するという番組。「局長」西田敏行は「関西の人が作る浪花文化の発信。みんながマインドを開いて見てくれる番組です」と、初の全国ネットを楽しみにしている。

探偵!ナイトスクープ 視聴者から寄せられたあらゆる疑問や相談をお笑いタレントらの「探偵」が徹底的に究明し、ライブ形式でビデオ紹介する番組。1988年3月に朝日放送で始まり、初代「局長」は上岡龍太郎、01年から2代目の西田敏行が就任。放送回数は今年1月末までに1023回。テレビ朝日系列、独立UHF局など計35局で放送されている。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/tv/20090224et02.htm