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2009年02月24日(火) 22時39分

ほかの患者にも違反治療 香川の受精卵取り違え中国新聞

 不妊治療患者の受精卵取り違えで、香川県立中央病院(高松市)は二十四日、川田清弥かわだ・きよや医師(61)が昨年四月以降、日本産科婦人科学会が倫理規定で禁じた複数の受精卵移植を、ほかの患者に対しても実施していたことを明らかにした。

 正確な人数は不明だが、リスクの高い多胎妊娠を防ぐ目的の倫理規定が、最初から無視されていた可能性がある。

 川田医師はこれまで、二十代女性に昨年九月、本人のものを含む三個の受精卵を移植したことを明らかにしている。医師は一個が別の患者のものの可能性が高いと判断、女性は人工中絶した。

 松本祐蔵まつもと・ゆうぞう院長は二十四日、「川田医師の治療について十分な管理ができず、反省し深くおわびします。今後は学会の規定を順守した治療を徹底します」との謝罪コメントを発表した。

 また病院が二〇〇二年、川田医師の要望で体外受精チームに臨床検査技師二人を配置しながら、実質的には機能していなかったことも判明。二人は別の部署に所属し、実際は川田医師が一人で作業することが多かったという。取り違えがあった昨年九月も同様の態勢だった。

 病院によると、はい培養士の資格を持つ技師は三人で、中央検査部に所属して病理検査などを担当する。二人は体外受精チームと兼務だが、産婦人科の依頼に応じて補助作業する程度だった。

 今回の問題を受け、病院は今年一月、受精卵を扱う際は複数の胚培養士でミスをチェックするよう改めた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200902240277.html