山形県は23日、2010年秋に市場デビューする県産米「山形97号」の正式名称を「つや姫」に最終決定した。
事前の県民投票では「山形97号」「出羽穂の香」に次ぐ3位だったが、他県向けの生産拡大戦略や、既存名称との類似性などを考慮した。名称決定を受け、販売、PR戦略もいよいよ本格化する。関係者は「全国トップクラスの銘柄に育てたい」と意気込んでいる。
計1万9594票の県民投票結果を踏まえ、県や農業団体、消費者などで作る「山形97号ブランド化戦略実施本部」が審査。〈1〉消費者に分かりやすく、食味・外観などの商品特性が伝わるか〈2〉米を購入する消費者、特に女性に受け入れられるか〈3〉生産拡大に向け、他県でも受け入れやすい名称か——の3点を重視し、選考した。
つや姫は、「食味・外観などの商品特性に基づいた名称」「女性的なイメージと分かりやすさで、女性の評価が高い」などの点で評価された。首都圏の百貨店で実施したアンケートで、好感度が高かったことも決め手となった。一方、「艶(つや)という表現に、いやらしいイメージを持つ人もいる」などの反対意見も出た。
最多得票の山形97号は、「県産米であることが明確」「すでに県民になじんでいる」と評価された一方、「商品特性を表していない」「他県での販売、作付けの拡大が困難にならないか」などの慎重論もあった。出羽穂の香は、「穂の香」の名称が栃木県産コシヒカリの商品名に使用されていて、「誤解の恐れがある」との指摘があった。
協議後、本部長を務める吉村知事は「(アンケート結果など)消費者の感覚を優先した。地名にこだわることなく、ブランド名を売ることが大事」と説明。生産者を代表し、遠藤芳雄・JA山形中央会長は「『つや姫』の誕生で、米どころ、山形の評価が揺るぎないものになる」とあいさつした。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090224-OYT1T00211.htm