財政難を理由に2005年度以降、中止している狛江市の市民花火大会について、矢野裕市長は23日の記者会見で、「急速な景気悪化で協賛金集めが難しくなった」として、今夏も実施しない方針を明らかにした。
大会の開催費用の一部に見込んでいた市の予算約1800万円は、この日発表された2009年度当初予算案で中小企業や失業者の支援を盛り込んだ緊急対策に充てられることになった。
市地域活性課によると、花火大会は大正11年(1922年)頃に始まり、04年度までは毎年7月下旬〜8月上旬に開催されていた。打ち上げられる花火の数は3000発以上、見物客は10万人前後で、長年にわたって市民に親しまれてきた。
矢野市長は09年度の大会復活を公約とし、4度目の当選直後の昨年7月、公募した市民ら10人による準備委員会を設置。「復活を前提」(同課)として、大会規模や運営方法などを検討してきた。
警備員の増員など安全対策の費用が04年度の6倍近くに膨らんだが、準備委は、有料席を導入すれば企業の協賛金を例年並みの約700万円に抑えられるとみていた。
ところが、昨秋以降の急激な景気の落ち込みが影響し、準備委内に「協賛金を頼める状況ではない」という声が高まり、今月12日、市長に慎重な対応を求める報告書を提出していた。矢野市長は、予算案を発表した席で「10年度には何とか開催にこぎ着けたい」と語った。
09年度当初予算案の一般会計総額は、前年度比5億9300万円増の220億7700万円。緊急対策では、小田急線狛江駅前の放置自転車の撤去などの業務委託で延べ約720人の雇用を創出するほか、建設業者の支援目的で、住宅をリフォームする市民に20万円までの補助金を出す方針。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090224-OYT8T00088.htm