アフリカ東部ケニア沖で海賊とみられる武装集団に乗っ取られ、今月解放された中国漁船の日本人船長久貝豊和さん(53)=沖縄県八重瀬町=が24日、台北経由で那覇空港に到着し、「戻れてうれしい」と帰国を喜んだ。
外務省の職員と到着した久貝さんはロビーで報道陣に囲まれ「海賊を見つけて逃げたが、相手の船の方が速かった」と乗っ取られた状況を説明。監禁については「怖いとは思わなかった。困ったこともなかったし、仕事をせんで寝ているだけだった。体も順調」と気丈に語った。
詳しい乗っ取りの状況や解放までの生活については「後にしてほしい」と明言を避けた。
マグロ漁のため世界中を船で回る仕事で、沖縄の地を踏むのは1年半ぶりというが「いつも通りの休暇の感じ」と笑顔を見せた。
久貝さんと中国人船員が乗り込んでいたマグロ漁船は昨年11月にケニア沖のインド洋で乗っ取られ、約3カ月後の今月8日に解放された。