ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じて愛媛県警の警部のパソコンから流出した情報を基に、捜査報償費の不正支出の有無が争われた住民訴訟の判決で、松山地裁は24日、「捜査報償費が不正に支出されたとまでは認められない」として訴えを退けた。
警部ら3人に約17万円を請求するよう知事と県警本部長に求めていたが、本部長への請求は却下、知事への請求は棄却した。住民側は控訴する方針。
判決によると、情報は2005年7月ごろ、警部の私用パソコンから流出。捜査協力者13人に計約17万円を支払ったとする文書が含まれていたが、記載された協力者には支払われていなかった。
高橋正裁判長は判決理由で、当時は捜査費支出の際、協力者を仮名にした領収書が認められていたと指摘。支出の有無を口頭で確認したとする当時の県警幹部らの証言の信用性も認め、「不正支出があった証拠はない」と判断した。