早稲田大創設者の大隈重信の名前を、福島県須賀川市の食品販売会社が商標登録しようとしていることが24日、分かった。早大側は「看過できない」と反発している。
特許庁によると、この会社が商標登録出願したのは昨年7月1日。商品は日本酒や洋酒などで、登録が認められた場合、ほかの業者は同社の許可なしにこれらの商品に「大隈重信」の名前を使うことができなくなる。
歴史上の人物をめぐっては、東京の流通コンサルティング会社が「吉田松陰」を商標登録した例がある。現行の商標法には、歴史上の人物の商標登録禁止の規定はなく、特許庁は無関係の第三者が商標登録できないようにするため、審査基準の見直しを進めている。
食品販売会社は「担当者が不在で答えられない」とし、早大広報課は「大学にとって最も重要な人物。名前を独占排他的に商業目的で使用されることは看過できない」としている。