和歌山市で1998年、4人が死亡し63人がヒ素中毒となった毒物カレー事件で、殺人や殺人未遂などの罪に問われ、1、2審で死刑判決を受けた林真須美被告(47)の上告審弁論が24日、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)であり、弁護側は「確実に別の犯人がいる」とあらためて無罪を主張し、検察側は「根拠のない憶測だ」と反論した。
判決は後日、期日指定される。早ければ今春にも言い渡される見通し。
2審大阪高裁判決によると、林被告は98年7月25日、夏祭り会場のカレー鍋にヒ素を混入、カレーを食べた住民4人を殺害し、63人を急性ヒ素中毒にさせた。また死亡保険金などの詐取目的で夫らにヒ素を混ぜた食物をとらせて中毒にさせるなどした。
この日の弁論で弁護側は、林被告宅で見つかったヒ素と混入されたヒ素が同一とする鑑定結果や、白いTシャツ姿の被告が1人でカレー鍋の見張りをしていたという目撃証言について「信用できない」と主張。決定的な証拠がない上、動機も不明なのに1、2審は有罪認定したと批判した。