牛肉偽装事件で詐欺罪などに問われている元ハンナン会長浅田満被告(70)=上告中=が、大阪府羽曳野市の自宅敷地用に財産区の土地を不法に占有したとして、市民が起こした訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は24日、浅田被告や福谷剛蔵前市長らに計約5900万円を財産区へ支払わせるよう市に命じた。
1審大阪地裁は2007年12月、約5200万円の支払いを命令。高裁は1審同様、市が一部土地の明け渡し請求をしないことも違法とした。
浅田被告は向野財産区から購入した土地と、交換・賃借した土地を合わせて自宅の敷地にしたが、判決理由で安原清蔵裁判長は、交換・賃貸借契約の締結前からその土地の工事をしたことについて「占有権原がなく違法」と1審の判断を追認。
控訴審で住民側が、新たに明け渡し請求の対象地の面積を明らかにしたため、賠償額が増えた。
浅田被告は、国の牛海綿状脳症(BSE)対策事業をめぐる牛肉偽装事件で1、2審で懲役7年の判決を受けた。