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2009年02月24日(火) 14時00分

五輪招致熱に温度差 のぼらぬ旗印東京新聞

 二〇一六年夏季五輪招致をPRするため、東京都が都内の全区市町村に支給した「のぼり旗」=写真、都庁で=が、飾られず役所内の倉庫にしまわれたままだったり、紛失した例があることが分かった。区市町村間にも招致熱に温度差がある。一九六四年の東京五輪のような高揚感があふれ、のぼり旗ははためくのか−。

 旗は縦約百八十センチ、横六十センチで、「日本だから、できる。あたらしいオリンピック!」と記されている。製作費は五本一組で約一万円。都は約四千組を製作し、うち五百組を全区市町村に支給。課題とされる世論を盛り上げようという狙いだ。

 支給に際し、各自治体は「どこに何本設置するか」を都に申請することになっている。都五輪招致本部は「目に触れるよう常設されているはず」と話す。

 ところが、五十組を支給されたある区では、約三十組を区役所内と関連施設に飾ったが、残り約二十組は倉庫にしまわれている。担当者は「招致関連イベントなどで会場周辺に立てている」と話すが、講演会で二、三回登場しただけだ。三組を申し込んだ別の区も、区役所などで飾っているが、一組が行方不明に。担当者は「どこへいったか分かりません」と首をかしげる。

 一方で、PRに積極的な自治体もある。都は優れた誘致関連事業を企画した区市町村に、原則として一千万円を上限とした共同推進事業費を助成している。

 日野市は昨年、同事業費の約五百九十万円をかけて、五輪招致ロゴマーク入りのエコバッグを七千個製作。地元の実践女子大生のデザインで、五輪にちなんだ五色をそろえ好評を博した。中央区も来月、同事業費の約千三百万円をかけ、晴海通り沿いを花で彩ったり、勝鬨橋に五輪招致の横断幕を掲げる計画がある。

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022490140046.html