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2009年02月24日(火) 13時48分

ほかの患者にも違反治療 香川の受精卵取り違え東京新聞

 不妊治療患者の受精卵取り違えで、香川県立中央病院(高松市)は24日、川田清弥医師(61)が昨年4月以降、日本産科婦人科学会が倫理規定で禁じた複数の受精卵移植を、ほかの患者に対しても実施していたことを明らかにした。

 正確な人数は不明だが、リスクの高い多胎妊娠を防ぐ目的の倫理規定が、最初から無視されていた可能性がある。

 川田医師はこれまで、20代女性に昨年9月、本人のものを含む3個の受精卵を移植したことを明らかにしている。医師は1個が別の患者のものの可能性が高いと判断、女性は人工中絶した。

 松本祐蔵院長は24日、「川田医師の治療について十分な管理ができず、反省し深くおわびします。今後は学会の規定を順守した治療を徹底します」との謝罪コメントを発表した。

 また病院が2002年、川田医師の要望で体外受精チームに臨床検査技師2人を配置しながら、実質的には機能していなかったことも判明。2人は別の部署に所属し、実際は川田医師が1人で作業することが多かったという。取り違えがあった昨年9月も同様の態勢だった。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022401000135.html