高松市に本店がある地方銀行「百十四銀行」の九条支店(大阪市西区)が、大阪府内の不動産会社などグループ4社に回収の見込みがないまま約10億円を融資して銀行に損害を与えた疑いがあるとして、大阪府警捜査4課は24日、特別背任容疑で融資先などを家宅捜索した。
グループの実質経営者は元指定暴力団山口組系組員とみられ、捜査4課は押収資料を分析するとともに元支店長(54)らから事情を聴き、融資に至った経緯や金の流れの解明を進める。
捜索対象は、大阪市西区の不動産会社「ダイキハウジング」など20数カ所。
百十四銀行は同日、「権限を越えた融資を実行した」として元支店長と当時の担当者(37)を懲戒解雇処分にした。
調べや同行によると、九条支店は2007年6月−08年1月に、支店長決裁で18回にわたり計約10億4800万円をグループに融資。十分な担保が設定されておらず、このうち9億4900万円が焦げ付いた疑いがあるという。
07年4月にグループ側から支店に接触、同年6月から融資が始まった。元支店長らはゴルフや飲食の接待を受けていたという。
百十四銀行は「内部管理態勢を強化するなど、再発防止に向け全行を挙げて取り組む」としている。問題発覚後、捜査四課に相談していた。