青森県弘前市のリンゴ加工販売会社「青森県果工」(現オノフーズ)がリンゴ果汁の産地などを偽装表示した事件で、青森県警生活環境課と弘前署は24日、詐欺と不正競争防止法違反の疑いで、前社長佐々木隆夫(61)=弘前市堅田、元社長長内淳一(71)=同市小栗山沢部=の両容疑者を逮捕した。
県警は、長内容疑者が社長だった数年前からコスト削減などのために偽装を始め、当時専務だった佐々木容疑者に持ち掛け、その後も引き継がれたとみている。県警によると、2人は「従業員に偽装を指示した」と容疑を認めている。
調べでは、2人は主に中国から輸入したリンゴ濃縮果汁を原材料とした飲料について、産地証明書などに「原産地青森県」などと偽って表示。東京都の食品製造会社を通じて佐賀県の会社工場など全国32カ所に飲料約148トンを発送した。また2006年2月から07年1月にかけ計12回、この食品製造会社から販売代金約5000万円をだまし取った疑い。
県警によると、この飲料はドレッシングや酢、調味料などに使用。食品製造会社も含め取引先3、4社が被害届を出し、被害額は計約1億4000万円に上るとみられる。
県警は昨年8月、青森県果工などを捜索し、資料を押収。今後、法人としての同社も立件する。
佐々木容疑者は偽装表示発覚後に社長を退任した。