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2009年02月24日(火) 11時47分

薬ネット販売禁止を議論 楽天社長も出席東京新聞

 インターネットなどによる一般用医薬品(大衆薬)の通信販売を一部を除き禁止するとした、6月施行の改正薬事法と省令について、賛否両方の立場から問題点などを議論する厚生労働省の検討会が24日、同省で初会合を開いた。

 委員として参加した楽天の三木谷浩史社長は「既にネット販売で生計を立てている人がおり、省令で重要な権利を侵害するのは違法性が高い。なぜネットばかりいじめるのか」と発言。一方、他の委員からは「利便性より安全性を優先しようとの国会議論も踏まえた結論。ネット販売の可否をここで議論するのはおかしい」との意見も出た。

 電話注文を受け「伝統薬」を販売してきた業者は「ネットの議論の中で、伝統薬が消失したら取り返しがつかない損失だ」と危機感を訴えた。

 改正法は、大衆薬を副作用リスクに応じて3分類。風邪薬や解熱鎮痛剤など大半の薬は、安全確保のため薬剤師ら有資格者による客との「対面販売」を原則とし、通信販売はビタミン剤など低リスク製品に限り認めた。

 厚労省は今月初めに改正省令を公布し、6月施行の方針を明確にしたが、一方でネット業者らの反対意見にも配慮する形で異例の検討会設置を決めた。

 舛添要一厚労相は、検討会の結論によっては省令の再改正もあり得るとしているが、施行までに議論がまとまるかは不透明だ。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009022401000269.html