鳩山邦夫総務相は24日午前の衆院総務委員会で、旧日本郵政公社時代の2005年から07年の間に一括売却された郵政関連物件の入札に関し「できる限り明らかにする責任がある」と述べ、実態解明に取り組む意向を表明した。民主党の松野頼久氏への答弁。
旧郵政公社は全国の社宅や保養施設などについて05年3月は60物件、06年3月は186物件、07年3月には178物件をまとめて一括売却している。
日本郵政が国会に提出した資料に記載された不動産の所有権移転先が、登記簿上の所有権移転先と異なるケースが複数あることも判明。民主党は、さらに追及する方針。
松野氏は、06年3月に売却された横浜市の社宅用地が、国会提出資料にある都内の不動産業者とは別の2社が登記上の所有者になっていると指摘。東京都港区の物件でも同様の例があり極めて不透明だと批判した。
日本郵政の藤本栄助常務執行役は横浜市の例について「契約相手は6社の共同体で、最終的にどの会社に所有権移転したかは登記簿を確認しないと分からない」と釈明。鳩山総務相は「意味が分からない。少なくとも国民の財産を売って、誰が所有したか分からないというのは極めて無責任だ」と批判した。
これを受け、日本郵政側は(1)一括売却決定時の社内文書(2)入札の詳細(3)売却契約書−などを国会に提出すると確約した。