トヨタ自動車とパナソニックが共同出資するハイブリッド車用電池生産会社「パナソニックEVエナジー」(静岡県湖西市)が、建設中の宮城工場(宮城県大和町)の稼働開始を、当初に発表していた「2010年初め」から前倒しし、今年末とする方針を決めたことが24日分かった。
同社の林芳郎社長が共同通信の取材に対し明らかにした。トヨタは世界的な販売不振を受け、新工場の多くについて延期や縮小を決めているが、環境対応車は今後も確実な需要が見込めると判断しており、ハイブリッド車用電池の生産体制強化を急ぐことにした。
林社長は「昨年末からハイブリッド車の販売も落ち込んでいるが、環境問題を無視することはできず将来は必ず回復する。それに向けて十分に備えたい」と説明。宮城工場ではハイブリッド車向けニッケル水素電池を年間20万台分(初年度10万台分)生産する計画で、生産規模の縮小も考えていないという。
また、現時点で最高の性能を持つリチウムイオン電池を大森工場(湖西市)で今年後半から生産する計画も延期しない方針だ。リチウム電池はトヨタが年末に発売するプラグイン・ハイブリッド車向けに供給する。
パナソニックEVエナジーはトヨタが60%、パナソニックが40%を出資している。