カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(60)は24日までに共同通信のインタビューに応じ、「グローバルな競争に勝ち残れる商品構成にする」と述べ、品ぞろえが充実している500坪(約1650平方メートル)以上の国内大型店を、現在の60店程度からできるだけ早い時期に3倍強の200店程度に増やす考えを示した。
国内でのユニクロの店舗は約770店あり、そのうちのほとんどを200−250坪程度の標準店が占める。1店舗当たりの売り場面積を拡大させることで、需要が高い女性向け商品強化を急ぐ。中国については「日本より多い1000店以上はいけると思う」と強調。現在約15店ある中国の店舗を年間100店ずつ出店できる体制を構築し、衣料品小売りチェーンで「アジアでのナンバーワン企業」を目指すという。
ユニクロの発熱保温素材シリーズ「ヒートテック」が秋冬に約2800万枚売れるなど、生産から販売まで一貫して行う製造小売業の強みを生かし、独り勝ちとなっている。販売不振の百貨店や総合スーパーが店舗網を縮小するのと対照的に思い切った拡大戦略を進める。
2009年8月期の売上高は6270億円の見通し。10年に売上高1兆円という目標について柳井氏は「2000億−3000億円の売上高がある企業を1社買えば達成できる。世界同時不況でM&A(企業の合併・買収)案件は増えている」と語り、買収を検討する対象企業の株価低迷などを追い風に、グループ拡大に取り組む意向を示した。