【ニューヨーク23日共同】米政府の事実上の管理下で経営再建を進める保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が近く発表する2008年10−12月期決算が600億ドル(約5兆6600億円)規模の純損失となる見通しだと23日、米メディアが伝えた。実際に発表されれば四半期ベースで米企業史上、最大規模の損失となる。
米政府はサブプライム住宅ローン問題に伴う金融危機を克服するため、経営不安に見舞われた金融機関大手の救済に追われている。AIGが巨額損失を計上すると金融市場の混乱が一層深刻化する恐れが強い。
大和総研によると、日本企業が四半期ベースで計上した純損失段階の赤字額としては、UFJホールディングス(現三菱UFJフィナンシャル・グループ)の04年7−9月期の5827億円が最大。
AIGは、保有する不動産関連の金融商品などで価値下落が止まらず、巨額の評価損が発生したもようだ。
AIGの広報担当者は決算内容については言及しなかったが「財務問題に対処するための新たな選択肢の検討を政府と進めている」と述べ、金融当局に対して追加支援を求めていることを明らかにした。米メディアは政府が支援に応じない場合、AIGが破綻する可能性を指摘した。