営利目的で覚せい剤約1キロを密輸したとして、覚せい剤取締法違反の疑いで東洋大(東京都文京区)の男子学生ら2人が大阪府警と大阪税関に逮捕され、同法違反の罪で起訴されていたことが23日、分かった。府警が明らかにした。
府警薬物対策課によると、2人は住所不定、東洋大経済学部2年の元ボクシング部員渡辺恭被告(20)と東京都武蔵野市吉祥寺本町、無職大阪紘史被告(25)。
渡辺被告は何者かに指示され携帯電話のサイト「闇の職業安定所」などで「運び屋」を募集していた。「金のためだった。運び屋を15人前後集めた」と供述しており、裏付けを急ぐ。暴力団が関与した疑いもあるとみて捜査する。
同課によると、2人は共謀し、昨年11月2日、関西空港に覚せい剤約992グラム(末端価格約6000万円)を密輸したとしている。
渡辺被告が昨年9月下旬、サイトに「株取引の書類を海外から持ち帰ってくれる人募集」と書き込み、応じた大阪被告が10月29日、マレーシアのクアラルンプールを訪問。
ホテルで外国人の男から覚せい剤入りのキャリーバッグを受け取り、帰国時に税関職員に見つかって現行犯逮捕された。渡辺被告は2月2日に逮捕され、23日に起訴された。
渡辺被告には100万円以上の借金があった。「運び屋を集めるよう指示した男の連絡先は、出会い系サイトで知り合った飲食店員の女性から紹介された。月30万円の報酬だった」と供述。大阪被告には報酬として10万—15万円を提示していた。
東洋大などによると、渡辺被告は静岡県内の私立高校時代、ボクシングの地区大会で優勝。推薦入学した東洋大でもボクシング部に所属していたが、昨年9月以降練習に参加せず、同12月に退部処分になった。
東洋大をめぐっては昨年12月、電車内で痴漢をしたとして強制わいせつの現行犯で、陸上部員だった経済学部2年生が逮捕されている。
(2009年2月24日01時08分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090223-OHT1T00182.htm