ホンダは23日、福井威夫社長(64)が取締役相談役に退き、伊東孝紳専務(55)が社長に昇格するトップ人事を発表した。6月下旬の定時株主総会後の取締役会で正式に決定する。青木哲会長(62)は留任する。
伊東氏が技術開発の中核となる本田技術研究所の社長を兼任することも内定。トップ自らが技術開発を直接指揮する「背水の陣」でヒット商品を生み出し、世界的な販売不振を乗り切る構えだ。
23日、都内のホンダ本社で記者会見した伊東氏は「顧客が求める製品を素早く投入していきたい」との抱負を述べた。
自動車市場の先行きについて、「希望的に言えば来期の下期には回復の兆しがみえればと思うが、それに頼るとひっくり返る」と指摘し、景気低迷を前提に引き続き経営体質の改善に努める考えを示した。
伊東氏は技術研究所社長や四輪事業本部長など、研究開発分野を中心に要職を歴任。2003年6月にホンダ社長に就いた福井氏の在任期間が6年になることから、50代の伊東氏をトップにすることで若返りを進める。
販売不振と円高の影響で、ホンダの09年3月期連結決算は、大幅な減益となる見通し。伊東氏は社長就任当初から厳しい経営のかじ取りを迫られることになる。
伊東 孝紳氏(いとう・たかのぶ)京大院修了。78年ホンダ。取締役、常務などを経て07年6月から専務。静岡市出身。
(2009年2月23日21時15分 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090223-OHT1T00180.htm