記事登録
2009年02月23日(月) 18時18分

歌川派錦絵の版木を公開…国立歴史博物館スポーツ報知

 江戸末期の浮世絵師、歌川国芳(1797—1861年)らが下絵を描いた錦絵の版木約370枚を国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が入手し、一部を24日から同館で一般公開する。

 錦絵は多色刷り浮世絵版画。版木は消耗品のため現存するものは少ないという。同館は「入手した大量の版木は、当時の制作過程や、彫りと刷りの技術を研究する上で貴重な資料」としている。

 富山県内の旧家の蔵にあったもので、浮世絵研究家の岩切友里子さんが歌川派の版木と確認。同館が2007年度と08年度に分けて購入した。

 ほとんどが国芳の版木で、3世歌川豊国と歌川広重のものもあった。毛髪が0・3ミリほどの細さで彫られ、技術の高さがうかがえる。絵師が血の赤い色の指定を「ちのいろよろしく」とだけ書き込むなど、微妙な色合いは刷る職人の経験に任せていたことが分かる。

 未公表の浮世絵の版木もあり、コンピューターでデジタル処理したところ、クジャクと遊ぶ若君の絵が再現された。大奥を風刺した絵とみられ、版元が出版を自粛したと考えられるという。

(2009年2月23日18時18分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090223-OHT1T00204.htm