記事登録
2009年02月23日(月) 12時48分

実行犯手記は「虚言」…新潮連載を朝日が検証スポーツ報知

 1987年に朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)が襲撃され記者2人が死傷した事件をめぐり、「週刊新潮」が2月5日号から4回連載した記事に関し、朝日新聞は23日付朝刊で実行犯を名乗る男性の手記の内容を検証し「虚言」と断定する記事を掲載した。

 1面に「『真実性なし』と判断」との見出しの記事のほか、「虚言そのまま掲載」とのタイトルで1ページ全面を使った詳報を掲載。新潮社が「実行犯の証言」とした内容について、捜査本部が発表した情報や現場にいた記者の証言などと比較した上で「そのすべてにおいて、証言は客観的事実と違っていた」と結論付けた。

 さらに朝日新聞が行った面会取材で男性が「(殺害された)小尻知博記者が狙いだった」などと話したのに、連載では「朝日新聞を狙え」と頼まれ、金目的だったと変遷していると指摘。証言には事実と異なる点が多いとしている。

 新潮社に対しては「『虚報』の責任は証言者だけでなく新潮社も負わなければならない」と報道姿勢を批判している。

 週刊新潮の連載について、警察庁の吉村博人長官は「犯行現場の状況と捜査で判明した事実を照らし合わせると、私の立場でコメントするようなものではないと考えている」と否定的な見解を示していた。

 週刊新潮編集部「朝日新聞の検証記事は、たとえば最も重要な襲撃現場の状況について、当時の記者の記憶で「再現」したものと異なる証言だから事実ではない、と決め付けたりしている。手記において「秘密の暴露」や「物証」に当たる部分は既に提示しており、後は捜査当局の判断を待つだけだ」

(2009年2月23日12時48分  スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090223-OHT1T00170.htm